字のないはがき

今日は「字のないはがき」をご紹介します。

内容: 戦争が激しくなって、一番小さな妹が疎開することになりました。いつも厳しいお父さんが、自分の宛名を書いたたくさんのはがきを妹に持たせます。まだ字を書けない妹に「元気な日は◯(まる)を書いて毎日ポストに入れないさい」と言って。そして最初に届いたはがきには大きな◯が書いてあったのですが、翌日から◯はだんだん小さくなり、ついには✖になります。。。

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一口コメント: 脚本家で直木賞作家でもあった故・向田邦子さんの名作「字のない葉書」(『眠る盃』所収、1979年講談社)が原作で、作家の角田光代さんが絵本として作品にしたものです。向田さんご一家のエピソードでちいさな妹と、いつもは怖いお父さんの戦争中の実話です。

威厳に満ち怖いお父さんですが、子供が元気かどうか様子を知りたいと願い愛情の深さを感じました。最後に病気になった妹が帰って来た時に大声で泣いたお父さん。昔はどのお父さんも頑固で怖かったと思いますが、同時に子供が一番大切であったことに変わりはないのだと思いました。

 

原作: 向田邦子
文: 角田 光代
絵: 西加奈子
出版社: 小学館

字のないはがき [ 向田 邦子 ]

価格:1,650円
(2020/2/15 11:11時点)